A star in the whole sky 第一話:落陽

始まりを告げる風が吹く町、ワカバタウン。
そこに星満という少年が住んでいた。
彼は日々ポケモンの鍛錬をしていた・・・・

星満「キリンリキ!"サイケこうせん"だ!」
岩に付けていた的に命中する。
星満「よーし、調子いいぞ!今日はこの辺にしておくか」
日はもう傾き、山あいに入りそうになっていた。
家では母さんが夕飯の支度をしていた。
母「あら、星満。良いところに来たわね。
  さっきウツギ博士があなたのことを捜してたわよ」
星満「ウツギ博士が?なんで?」
母「さあ?・・・あっ
  そこに修理に出したポケギアがあるから・・・・」
テーブルの上にポツンとポケギアがあった。
星満「ああ、これな・・・曜日は・・・今日は
   木曜日だな。・・・よし、設定完了
   じゃあ、行ってくるよ」
ポケギアは本来腕に付ける物だったが、急いでいたのでポケットに入れた。


日は大分落ちていた。まもなく山あいに消えていくだろう。
半ズボンなのでとても寒く感じた。もうすぐ秋も終盤だ。
ウツギ研究所は近所なのでアッサリ着いた。
ふと、怪しげな人影が目に入る。
赤い髪をしていて、黒いフリースを来ていた。
じっとウツギ研究所を見ている。
・・・・まあ、いいか。早く用をすませよう。
早く用をすませないと夜になってしまう・・・・


中へはいるとウツギ博士がすぐに大きい声で話しかけてきた。
ウツギ「やあ、もう夕方だってのにすまないね」
星満「はあ、それで・・・・用事ってのはなんスか?」
ウツギ「ポケモンじいさんのところから、大発見とかいうものを
    預かってきてくれないかな?」
星満「大発見?」
ポケモンじいさんの家は一応知っている。
ヨシノシティを少し越したあたりだったハズだ。
星満「・・・でも、もう日が暮れるし、
   手持ちがキリンリキだけじゃ不安ってのも・・・」
ウツギ「だったら、この中からポケモンを一匹あげるよ!」
そういって3つボールを差し出してきた。
星満「マジッスか?」
ウツギ「ハハ、好きな物を選ぶと言い」
偉そうな口調である。
星満「そーッスねぇ・・・・・」
1匹、目に留まったポケモンが居た。
ウツギ「どうしたんだい?それにするのかい?
    それは"ヒノアラシ"って言うんだけどね。
    最高のポケモンだと思うよ!」
相づちだということはすぐに分かったが、
なんだか、コイツの眼に引かれて、俺はコイツを貰うことにした。
ウツギ「それじゃ、いってらっしゃい。気を付けるんだよ」
外へ出ると冷気が一段と強く感じた。
ホーホーの鳴き声も聞こえてくる。
赤い髪をしていて、黒いフリースを来ていたヤツは
いなくなっていた。一体なんだったのだろうか・・・・
ヨシノシティに付いてから、ポケモンセンターでヒノアラシを回復
させて、すぐに北へ向かった。自分の影は見えなくなっている。
すると、ポケモンバトルをやっていた。
もう夜になるというのに・・・・
話しかけようとしたら怒鳴られてしまった。
「ちょっと、今勝負の途中なんだから、邪魔しないでくれよ!
 ・・・いけーコラッタ、体当たりだっ!」
全く・・・・自己中なヤツらだ。
よく見るとこいつら道ふさいじゃってるし・・・・・
しゃあねぇ、右の道から行くか・・・・


灯りが見えてきた。ポケモンじいさんの家だ。
星満「こんばんはー・・・ウツギ博士に頼まれて・・・」
ポケモンじいさん「おお、君か・・・・
         ちょっとまってておくれ。
         今、持ってくるから・・・・・」
そういって持ち出してきたのはなんかのタマゴだった。
星満「なんの・・・タマゴッスか?コレ」
ポケモンじいさん「これか?これはポケモンのタマゴじゃよ」
星満「こ、これがポケモンのタマゴ?」
今、手に取っているのはポケモンのタマゴだと
思うと、なんだか重みが増したような気がしてくる・・・・
ポケモンじいさん「それをウツギ博士に届けて欲しいんじゃ。
         頼めるかな?」
星満「ハイ、だいたい、その為に来たんですしね」
??「ほほーう、君が星満君か。ウツギ君から話を聞いてるよ」
そういって出てきたのは・・オーキド博士だった。
オーキド博士のポケモン講座のラジオ番組の視聴率は
非常に高いという話も聞いていた。
オーキド「君にわしからも頼みがあるんじゃが・・・・」
星満「?・・・・なんスか?」
オーキド「いや、この"ポケモン図鑑"を完成させて欲しいんじゃが・・・」
星満「ハア・・・まあ、何年かかるかわかりませんが、やってみます」
オーキド「そうか、では頼んだぞ。ワシももう出かけねばならん・・・」


家を出ると、もう月が昇り始めていた。
今度は自分の影が街灯によって出来ている。
はいた息は白く、すぐに儚く消えていく。
Trrrrrrrrrrrr.....
ポケギアが鳴っている。
登録したのは母さんとウツギ博士だけだが。
液晶画面を見ると「ウツギはかせ」と表示されていた。
「・・・ああっ、星満君!ちょっと大変なんだよー、
 とにかく大急ぎで帰って来て!じゃあ!」
ツー、ツー、ツー、ツー・・・・・
勝手な人だ。まあ、どうせ戻るんだからいんだけどな・・・
日も暮れたし、早く帰るか。


ヨシノシティまでたどり着いた。
まもなく7時になるだろう。早く帰らないと・・・・
すると前から一人の男が駆けてきた。
ウツギ研究所を覗いていたあの赤い髪のヤツだ。
星満「オイ」
思わず声をかけてしまった。
??「なんだ?お前は?」
話すことがないのに話しかけたから困ってしまった。
星満「えっとぉ・・お、お前ウツギ研究所を覗いてただろ」
赤い髪の男が微かに反応した。
??「・・・・見ていたのか?」
星満「・・・何故だ?」
??「教える義務はない」
チラッと俺の腰の当たりを見てきた。
??「どうやら・・・お前ポケモントレーナーらしいな。
   ちょうどいい。手に入れたポケモンを試してやる!
   行け!ワニノコ!」

−二分後−
アッサリ俺は勝ってしまった。ホントに口だけのヤツだ・・・・
??「クッ・・・・俺の負けか!しかし、覚えていろよ!
   俺の名はシルバー!世界一のポケモントレーナーになる男だ!」
そう言ってシルバーは去っていった。
・・・なんだったんだ?アイツは。
おっと、早くウツギ博士の所に帰らないと・・・・・
月も大分高くなり、夜の風が頬をかすめた。
......