A star in the whole sky 第二話:旅立つ想い
ワカバに帰った頃にはもう西の空も暗くなっていた。
それにしても一体なんだったんだろう、アイツは。
イキナリ勝負をふっかけてきた癖にすぐ負けてしまったアイツ。
とりあえず早くウツギ博士の所に帰らないと・・・・
そして俺は、ウツギ研究所のドアをゆっくりと開いた。

研究所の中は意外と狭い。
いろんな器具や本棚もあるし、
そもそも二人しかいないのだからもともとが狭い。
その研究所に三人も人が居た。
ウツギ博士と助手と・・・・制服から察するに警察官のようだ。
ウツギ「ああ、星満君。帰ってきてたのかい」
星満「・・・あの、なんかあったんスか?」
ウツギ「実は・・・ワニノコが盗まれてしまったんだ・・・」
星満「ええ!?」
助手「大きな音がして様子を見に行ったら盗まれてたんですよ・・・・」
完全にパニック状態である。
星満にはある疑問点が浮かんでいた。
シルバーの事だ。
アイツはワニノコを持っていた。
まさか・・・・・まさか、アイツが?
星満「・・・犯人の特徴は?」
ウツギ「あ、ああ。良くは見えなかったんだが、
    赤い髪の毛に・・・黒いフリースでも来てたかなぁ・・・」
間違いない。犯人はアイツだ・・・・
星満「俺、さっきそいつと戦いました」
警官「本当かい!?なんか・・・・言ってなかったか?名前とか・・・」
警官が激しい口調で問いつめる。
星満「シルバーって名のってましたよ」
警官「えっと・・シルバー・・・だね。分かった。
   では、この辺で帰ります。ご協力ありがとうございました!」
四人居た研究所から一人が帰っていった。
星満「ふう・・・・・」
なんだか色んな事がありすぎて、疲れちまった・・・・・
シルバーのヤツ・・・まさかワニノコを盗んだとはな・・・・
ウツギ「ところで星満君」
星満「なんスか?」
ウツギ「大発見ってなんだったんだい?」
色んな事がありすぎてすっかり忘れてた。
星満「ああ、これ、あずかってきたんです。
   ポケモンのタマゴだそうッスけど」
ウツギ「ええええ!?本当かい?!本当ならとんでもない大発見だよ!」
星満「・・・まあ、オーキド博士も言ってたから本物だとは思うけど・・・」
ウツギ「ええ!?オーキド博士に会ったのかい!?」
星満「は、はあ・・・・あと、ポケモン図鑑貰ったんですけどね」
ウツギ「え?オーキド博士からポケモン図鑑を貰った!?
    星満くんほ、本当かい?そ、そりゃ すごい事だよ!
    なんたってオーキド博士はトレーナーの才能を見抜く
    力の持ち主だからねそうか星満君。 
    君にはチャンピオンになれるだけの
    素質があるのかもしれないね
    ポケモンもなついてるようだし
    このまま各地のポケモンジムに
    挑戦するのはどうかな?
    ここからだとキキョウシティのポケモンジムが一番近いよ」
星満「あ、あの・・・ちょっと?」
あまりにも急展開すぎる。しかし、ウツギ博士は耳を傾けなかった。
ウツギ「・・・星満君
    チャンピオンを目指すのは長い旅になると思う。
    出発の前におかあさんに話しておくんだよ」
どうやら、ウツギ博士の中ではとっくに旅立ちが決まってしまったらしい…
まあ・・・いっか。そろそろ旅に出たいとも思っていたし・・・・
すると、助手がイキナリ俺に近寄ってきた。
助手「星満くん!
   ポケモン図鑑を作る君にこれをお渡しします!

   (モンスターボールを貰った)

   ポケモン図鑑を作るにはポケモンを捕まえないと!
   モンスターボールを野生のポケモンに投げると
   捕まえることができるのです!」

ウツギ研究所を出ると、もう8時を回っていた。
すぐに家に帰らなきゃ・・・・
家のドアをこじあけるように開いた。

母「あら?それはヒノアラシ・・どうしたの?」
その事には触れず、俺は用件を先に話した。
星満「母さん、俺旅に出たいんだ!
   ・・・このヒノアラシはウツギ博士から貰った物だ」
母「・・・そう・・・冒険に出るのね
  よーし!おかあさんも協力するわよ。何ができるかしら・・・?
  そうだ!お金を預かってあげる長い旅になりそうだもんね
  お金は大事にしないと!」
怒られるかと思ったらむしろ、協力的であった。
今日はもう遅い。ひとまず寝よう・・・旅立ちは明日だ・・・・
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なんだか・・・・眠れない。
明日でこの部屋ともお別れだ。
多分半年は来れないだろう。いや、もっとかかるかも。
一年・・・いや、もっとかも。
そんなことばかり考えてしまって、なかなか寝付けなかった。
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いつの間にか俺は眠っていたらしく、俺の顔に差し込んできた光で目が覚めた。
いつものように朝飯を食べ終えた。
星満「よし・・・そろそろ行くよ、母さん」
母「そう、頑張ってきてね!」
こうして、俺は家を後にした。
次の街はヨシノシティだが、そこにジムは無い。
最初の難関はキキョウシティだろう。
そこには新しく就任したジムリーダーがいると聞いた。
星満「よし、行くぞ!キリンリキ!ヒノアラシ!」
朝日を背にして俺はポケモンマスターへの旅への一歩を踏み出した。

    ......