A star in the whole sky 第八話:風のように
夕暮れのコガネシティは仕事帰りの人が多かった。
街はすっかりクリスマス色一色だ。
クリスマスまで…あと2日。
そこら中からクリスマスソングが流れてくるし、
街路樹は電球を着飾っていた。
しかし、この街に来たのにはある1つの目的があった。
自転車だ。だんだん歩くのにも疲れが出てきた。
イヤ、なにも自転車でなくてもいい。スケボーでもなんでも。
要は移動出来ればいいのだ。旅が楽になる。
そしてこの度カントーから移ってきた自転車屋ミラクルサイクル!
この街の目的はここにあるのだ。
しかし、捜しても捜してもどこにも見あたらない。
星満「どこだぁー?自転車屋ァー」
??「やぁ、自転車屋を捜しているのかい?」
星満「うわ!・・・あ、あなたは」
??「久しぶりだね」
エアームドをGETしたときにあった人だ。
相変わらず顔はフェイスマスク見たいなヤツで隠しているが。
??「自転車を捜してるんだろう?だったらあの道を右に行って、
   また、曲がり角を右に行く。そこにあるはずだ」
星満「はあ、ありがとうございます・・・」
その人の差した曲がり角を見ながら呟いた。
星満「でも、なんで・・」
なんで、オレのことを助けてくれるんですか?
そう、聞きたかった。でも、そこにもうその人はいなく、
師走を通り抜ける冷たい風が頬をかすめ、
表通りから流れ込んだクリスマスソングが耳に入ってきただけだった。

しばらくして、ようやく自転車屋を見つけた。
カランカラン
店主「いらっしゃいませー!」
星満「あ、どうも」
あまりの勢いについ圧倒されてしまった。
店主「何をお求めですかー!?」
星満「あ、あの自転車を・・・」
店主「あ、すいません。自転車は今、これしかないんですよ」
−説明書き−
ミラクル自転車
どんな悪路もスーイスイ!
今の時代はコレで決めよう!
値段1000000
星満「ひゃ、百万・・・っすか」
店主「はいー・・ご予算は?」
星満「え・・えと・・・・」
オレは5本手を開いた。
店主「5万円ですか、それでしたら・・・」
星満「イヤ・・・すんません。5千円です」
恥ずかしい。なんだか、場違いな気がしてきた。
店主「あ、それならちょっと頼みたいことがあるんだ」
星満「え?」
店主「君ももう分かってると思うけど、ここ、場所がへんぴだろ?
   君が3人目なんだ。客として」
星満「はあ・・・」
店主「そこでだ。この自転車は・・・あまりに高いから
   このスケボーで乗り回して、うちの宣伝をしてくれないか?」
星満「え?くれるんすか?」
店主「宣伝効果があったらね。じゃ、名前と電話番号教えてよ」
星満「ウッス!」
思いがけなくただで手に入った。コレはついてる。
店主「それじゃあ頼むよ!」
星満「はい!」
早速店を出てスケボーで走り出す。
冷たい風がドンドンオレの頬を抜けていった。
心地よい。
星満「カー!やっぱ、いいよなぁ!スケボー!」
ジングルベルに浮き足立っている街をオレはさっそうと駆け抜けた。
自転車ではないにせよ、この吹き抜ける感じ。なんとも言えないものがあった。
とりあえず・・・コガネジム。そこに行くべきだな。
進路をジムの方に変えて、素早く走り出した。

コガネジムでは特に苦労はしなかったとここで話しておこう。
ミルタンクの"ころがる"は1ターン1ターン威力が上がる
ワザらしいが早い内に倒しておけばそこまでは苦労しなかった。
問題はジムリーダーのアカネの方だ。負けた瞬間に大声をあげて泣いた。
・・・これでジムリーダーなのか?

とりあえずオレはコガネの街並みに別れを告げた。

さい先良く先に進むオレの前に、1つの障害があらわれた。
道が妙な木でふさがれている。
これじゃあ、通れねーっつーの!
ったく・・・・そういやぁ、なんか聞いたこと有るなぁ・・・
水をかけると動く木が道ふさいでるって・・・・
水・・・かけてみたいけど水系のポケモンはいないし・・・・
とりあえず諦めるかな・・・・
と、振り返ったその時。そらから雫が落ちてきた。
雨だ。
天気予報じゃ降らないって言ってたのに・・・・
結構どしゃ降りだし・・・まったくついてないなぁ・・・・
早くコガネのポケモンセンターに……雨?
今度は木の方を振り返った。
木は雨の動きに合わせてざわざわ蠢いている。
星満「なんだ?コイツは・・・」
思わずポケモン図鑑を向けていた。
図鑑「ウソッキー、まねポケモン・・・」
どうやら、ポケモンの様だ。
とりあえず木だからマグマラシの炎・・・が一番いいハズだ。
星満「マグマラシ!あの木に向かって"ひのこ"!」
しかし、全くその木らしきものは火をうけつけなかった。
もしかして、コイツは木じゃないのか?
星満「とりあえず、コイツだ!エアームド!"はがねのつばさ"!」
今度は効果抜群の様だ。
鋼で攻撃して効果抜群なのは・・・確か、岩と氷だったな
この2つで炎でいまひとつなのは・・・・
岩。
そうか…コイツのタイプは岩・・・か。
木のふりなんかしやがって・・・
星満「もう一回"はがねのつばさ"だ!エアームド!」
バシィッ!ウソッキーは攻撃をモロに喰らった。
そして、そのまま山へ逃げて行ってしまった。
・・・ふう、なんとか倒せた・・・か。
ポケモンも見た目だけじゃねーってことかな。
・・・それより雨が強くなってきた。早くエンジュへ・・・・・
ぬかるんでスケボーでは走れなくなった道を、星満は駆け出した。
    ......