A star in the whole sky 第十話:汐風の中で
スケボーを走らせアサギシティに向かっていると、
潮の香りがした。海からの風。
この旅で初めて海にでる。
そう思うと足にも力が入った。

街に突入したとたん、ジムが見えてきた。
星満「へえ・・・めずらしいな」
ジムが街の初めの方にあるのは今まで見たことがなかった。
早速挑戦・・・と行きたいが、エンジュからアサギまでは
結構トレーナーが居て、HPも減ってしまった。
とりあえずポケモンセンターへ・・・・
サッ!
いきなりジムのカゲから人が飛び出してきた。
星満「ウワッ!」
あわてて曲がったが、実に危ない
シルバー「なんだ、お前か」
星満「シ、シルバー!」
オレがボールに手をかけるとシルバーは嘲笑った。
シルバー「何構えてんだよ」
シルバーが続ける。
シルバー「今のオレはお前と遊んでる暇はない。
     弱いヤツには興味はない」
星満「な・・・」
シルバー「そうそう、ここのジムリーダーも相当ふぬけだ。
     灯台で弱ったポケモンの世話をしてるんだってな」
星満「え?」
シルバー「ふん、弱いポケモンごときに世話をかけるなんて無駄だな。
     戦えないポケモンなんて無意味だ・・・・」
星満「なんだと、テメー!もう一回言って見ろ!」
シルバー「なんどだっていってやる。
     弱いポケモンなんて価値はないのさ」
星満「この・・・」
オレが殴りかかった時だった。
シルバーはヤミカラスにつかまっていた。
シルバー「あばよ。今度あった時ぐらい相手してやってもいいかな」
あっという間にシルバーは視界から消えていった・・・
星満「・・・・灯台・・・・か」
オレの興味は灯台のほうに移っていた。

−灯台−
灯台で何人ものトレーナーに勝負をいどまれたので
やや疲れ気味だった。
しかも途中で階段が途切れていた。
一体何考えてるんだ?建築者は。
星満「・・・この穴か?やっぱり」
一畳ほどの広さの穴。ここから先へ行けるかもしれない。
星満「・・よし、行こう」
ヒュッ・・スタッ
案の定階段が目に移った。ここから行けるはずだ・・・・・
へんなオッサンにも絡まれたが、なんとか最上階にたどり着いた。

−灯台の最上階−
妙にだだっぴろい所に出た。
二人・・・・イヤ、片方はポケモンだ。
やけに苦しそうな表情をしていた。
一人と一匹がこの部屋にはいた。
星満「・・・・アサギのジムリーダーはお前か?」
ミカン「ハイ、ミカンといいます。・・・えっと誰ですか?」
星満「オレは星満だ。公式戦やってもらおうと思ったが無理のようだな」
さっき見たポケモンはデンリュウ。
見た目にもやつれていた。
ミカン「タンバの薬が良く効くという話なんですけど・・・・
    私はここをはなれるわけにはいかないんです・・・」
ミカンの頬から涙が落ちた。
ミカン「すいません・・湿っぽくなっちゃいましたね」
目をこすりながらミカンが笑った。無理している事は明白だった。
星満「オレ。行きます」
ミカン「え?」
星満「オレがタンバに行きます」
ミカンの表情は驚きを隠せていなかった。

−アサギシティ−
とは言ったもののオレには水系ポケモンがいないんだっけ・・・
一応エアームドの"そらをとぶ"でなんとかなるかもしれないけど、
地元の人の話だと、タンバへの途中で深い霧が立ちこめているところが
あるらしい。最も、そこに寄らなければ良い話なんだが。
なるべく、今日中にタンバに行っておきたい。
綺麗な海だ。珊瑚礁が海の上からでも見える。
海を泳いでいるポケモンも見ることが出来た。
途中何度もトレーナーに絡まれたが。
冬の海は寂しさが漂っていて悪い気分ではない。
誰もいない冬の海を歩くとどことなく寂しい気分になる。
あれと似たような気分だ。
星満「・・・アレは?」
もの凄い霧に囲まれた島があった。。あれがタンバだろうか?
・・・いや、まだ霧がかかりすぎている。アレは多分
地元の漁師が言っていた"うずまき島"だろう。
海の神を祀っているとかなんだとか・・・・
興味があるが、今は時間がなかった。
とりあえず、今は急いでタンバへ行かなければ・・・
もうしばらくすると全く視界が効かなくなった。
これが霧の部分か・・・確かに飛行ポケモンじゃあ難しいかもな。
ポケモンの本能的な部分に頼るしかない・・・・
大分寒くなってきた霧の海をオレは進んでいた。
静かな風の音だけが寂しく響いている。
    ......