A star in the whole sky 第十一話:霧に濡れても
霧の海を大分進んでいくと、陸地が見えた。
アレがタンバだろう。
回りには誰もいなく、ランターンの水の切る音だけが鳴り響いていた。
何分たっただろうか。日は陸地に大分接近していた。
夜が近づいてきている。
やっとの思いでタンバに辿り着いたのは時間で言うと5時頃だった。
ちょっと早いけど夕飯にするかな・・・
タンバ名物のタンバうどん。
しっかりアサギの漁師に聞いておいたのだ。
中でも一番のオススメ店はどんどん軒という所。
ポケモンセンターの近くにあるという。

割といい感じの店であった。
やはり名物というだけあって上手かった。
ちょいと味が薄い気もしたが・・・・
勘定を払って店をでた瞬間だった。
ドンッ!
星満「イテ!」
??「イタタタ・・スマンスマン、ちょっとよそ見してたわ」
星満「いえいえ、こちらこそ前を見てなくて・・」
??「アレ・・・お前・・・・似てるなぁ・・」
また、似てると言われた。一体オレが誰に似てるというのか。
星満「似てる・・・・って?」
??「ん?まあ、そんなことはおいといてよ」
話を切られてしまった。
星満「え・・・ああ、ワカバタウンの新山星満です」
??「そうか、オレの名前は龍之介。汐瀬龍之介だ。
   ちょっとここでは知り合いにあいにきてな。
   ・・・お前とはまたどこかで会えるかもな」
そういいながら龍之介は闇へと歩いていった。
・・・・本当に誰に似てるんだ?オレが。
星満「まあ・・・薬屋に行って明日になったら早く帰るかな」

−薬屋−
星満「こんばんは〜」
店主はお茶を飲んでいるところだった。
店主「いらっしゃい。なんのようかな?」
星満「実は、アサギの港のデンリュウが病気なんで薬を頂きたいのですが…」
店主「そうか、ちょいと待て」
店主は後ろにあった棚を探り出した。
引き出しがたくさん付いている。
店主「これじゃこれじゃ」
店主はオレに薬を手渡す。
店主「これさえ有れば元気40倍じゃ!」
星満「は、はあ・・・そうッスカ」
本当かどうかも怪しいもんだが、元気を取り戻すことには間違いはないだろう。
明日は早めにこの街をさらなくてはならない・・・・
灯台で待っているデンリュウのためにも・・・早く・・・・・・

−翌日−
オレはタンバの街に一端別れを告げた。
ジムもあったのだが今はそんな余裕がない。
明日にでもまたくれば良いことだ。
霧が立ちこめている部分をランターンで移動し、
晴れてからはエアームドで一気にアサギまで飛んだ。

−灯台−
急いで階段をかけ登る。
かなり上にあるので息が途切れてきたが構わない。
とにかく登りまくった。
そして、ほんの数日前に見た最上階まで登った。
朝の8時にもなってないのにもかかわらず、
ミカンはまだデンリュウの世話をしていた。
星満「薬・・・コレ・・・」
もう息が続かなかった。ミカンがそれをすぐにデンリュウに飲ませる。
あっという間に血色がよくなっていく。
星満「ハー・・・ハー・・ハーどうやら・・・効いたようッスね」
ミカン「はい、ありがとうございます!」
ミカンの目には涙が潤んでいた。
ミカン「それじゃあ・・・ジムへ帰ります」
オレはデンリュウに別れを告げるとジムへ向かった。

−アサギジム−
ジムに入るとミカンが話しかけてきた。
ミカン「こんにちは。先ほどはありがとうございました」
星満「ああ、いえいえ。それより、公式戦。早くやりましょうよ」
ミカン「そうですね。手加減はしませんよ」
ミカンがボールからポケモンを出してきた。
星満「行け!マグマラシ!」
ミカンが出してきたポケモンはコイルだった。
星満「コイル!電気と鋼のポケモン・・・・だったら
   "かえんぐるま"だマグマラシ!」
かえんがコイルを包んで・・・戦闘不能になった。
ミカン「・・さすがですわね。わたくし、切り札を出させていただきます」
星満「え?」
ミカン「行くのです・・・ハガネール!」
そうしてミカンのモンスターボールから出てきたのは
体長が7、8メートルはありそうな巨大なポケモンだった。
星満「マグマラシ!"かえんぐるま"!」
"かえんぐるま"は確かにハガネールに当たった・・・が
体が大きいせいかイマイチ効果は無かった。
ミカン「ハガネール!"しめつける"!」
巨大な体がマグマラシの体をしめつけた。
マグマラシが苦しそうな顔をしている。
星満「マ、マグマラシ・・・・」
その瞬間だった・・・
マグマラシがビクッと動いた。
すこしずつ体が大きくなっていく・・・
星満「・・・進化か?」
どんどんマグマラシは姿を変えて、やがて大きめのポケモンになった。
星満「・・・バクフーン」
図鑑にそうかいてあった。
相変わらずハガネールはしめつけていたが、
バクフーンにはあまり苦にならないようだった。
星満「よし、バクフーン!"かえんぐるま"だ!」
今度の炎は進化したことを象徴したかのような威力だった。
炎はハガネールに直撃して、今度こそダメージを与えた。
そしてそのままハガネールを戦闘不能にした。
ミカン「・・・お見事でした」
彼女の口からぽつりと言葉がこぼれた。
それが彼女の精一杯の応援だったのかもしれない。
    ......