A star in the whole sky 第十四話:さよなら
−ラジオ塔 局長室−
ドライマー「おい、R団、どこにいる!?」
部屋の中は真っ暗で何も見えなかった。
ジリ。
背後から音がした。
並みならぬ気配も漂っている。
ドライマー「誰だ!」
ドライマーがボールに腰をかけた瞬間だった、
ドライマーは自分の体が動かない事に気付いた。
ドライマー「な…これは…?」
暗闇の中に立っている誰か。それが誰かは分からなかった。
が、その誰かが頭に手を当てたのが分かった。
××「さよなら」
その瞬間、ドライマーの意識は途絶えた。
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数分後、警察がかけこんだが、R団は誰もいなく、
世間を騒がせた。ドライマーも発見される事は無かった……

−チョウジタウン アジト−
ワタル「どうやら、電力の元はこの先にあるらしいが…
    道がわかれているな…君は右側に行ってくれ」
星満「わかりました」
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星満「…あれ?ここさっきワタルさんと別れた場所だよな…」
見覚えのある柱、壁の染み。何もかもがあの場所だった。
星満「あれー?オレは左、右、左、右って来たはずなんだけどな…」
人影が星満の前に現れた。
赤い髪をした、星満と同じくらいの年齢…
それがシルバーだとわかるのに時間はかからなかった。
星満「……シルバー」
シルバー「……チッ」
シルバーは星満を見ると、舌打ちをした。
シルバー「あのマントの男はなんなんだ?」
星満「へ?」
意外だった。悪態をつかれるものかと思っていたら、
マント…多分ワタルの事を聞かれるとは…
シルバー「オレのポケモンが…歯が立たなかった…
     フ、まあ今のオレのポケモンが弱いって事かな。
     もっと強い物を…」
星満「それ以上ポケモンを侮辱するのはゆるさねぇぞ」
星満がボールに手をかける。
シルバー「…フン、それにしても、『キミはポケモンに対する愛情と
     信頼が足りない』だと?あのマント野郎……」
星満「…当たっているじゃねーか」
シルバー「…なに?」
星満「お前みたいに、ポケモンを道具みたいに扱うヤツじゃ、
   いつまで経ってもポケモンマスターにはなれないって事さ」
シルバー「チッ、もうお前になんかにかまってはいられない」
シルバーは星満の横を通り抜け、出て行ってしまった。
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何人かR団の残党を倒した後、再びワタルと合流した。
星満「ワタルさん!」
ワタル「やあ、星満君。電力の元を発見した。これから叩きにいくぞ」
星満「ハイ!」
しばらくワタルを後をついていくと、
なるほど、これは電波を放出しそうだ。という装置が目に入った。
星満「えーと…これを破壊するんですか?」
ワタル「いや、配線を一部破壊して、電力源を断ち切るだけで十分だろう。
    ほら、そこのマルマインが恐らく電力源だろう。
    その数匹を倒して、配線コードをちぎるだけで良い。
    僕は右側をやるから君は左側を頼むよ」
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星満「よし…とりあえず全部倒したッスよー」
ワタル「うむ…電波も無くなった様だな……」
ワタルがどうもしっくり行かない様な顔をしている。
星満「どうしたんッスか?ワタルさん」
ワタル「いや…たいした邪魔が無かったからな…
    もう少しR団は抵抗すると思ったんだが…」
星満「!…そう言えば………」
ワタル「まあ、とりあえずこの基地は破壊した。
    それはそれでいい。ひとまずここを出ようか。
    
−外−
ワタル「それにしても本当に助かった。ありがとう、星満君」
ワタルが手を差し出してきた。
星満「いえ…コチラこそ!」
そう言って、二人は握手を交わした。
ワタル「星満君」
ワタルが急にかしこまった表情で星満の方を見た。
星満「ハイ、なんですか?」
ワタル「ポケモンマスターへの道は長く険しい…
    それでも行くのかい?」
星満「勿論ですよ!途中で諦めたりなんかしたら、
   一緒に旅を続けたこの仲間にも申し訳がつかないッス」
ワタル「…やっぱりね。君ならそう言うと思ったよ」
ワタルが向きを変え、カイリューをボールから出した。
ワタル「それじゃあな、星満君。また、会おう」
星満「え?また会おう…っていつ」
その瞬間、ワタルはカイリューの背中にのって遥か遠くまで行ってしまった。
星満「また…会おう……か」
一月の空はまだ寒かったが、晴れ晴れとしていた。

−コガネシティラジオ塔前−
星一「…おかしい……おかしいんだ、絶対」
星一がマサラを離れてこの地に来たのには1つの理由があった。
星一「おかしいんだ、ドライマーさんほどの人が、
   収録を行っていた時に、R団がわざわざ占拠しようとした事、
   警察が踏み込んだ時にはもう誰もいなかった事、
   あれ以来ドライマーさんとの連絡が取れない事…
   何があったんだ?一体…」
R団襲撃事件以来、ラジオ局は営業を中断していた。
星一「絶対何かあったハズなんだ…このR団襲撃の時に」
ふと、星一が横を見ると、傷ついたゴースが不安定に浮かんでいた。
そのゴースは星一の方をジッと見ている。
星一「…野生のゴースか?でも、この辺にゴースなんて…」
その瞬間、視界が歪んだ。強烈な眠気が星一を襲う。
星一「…この眠気…まさか"さいみんじゅつ"……お前、
   野性のポケモンでは無くて……」
星一は深い眠りについた。
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星一が目を覚ますと、辺りは真っ暗な空間が広がっていた。
手足が動かない、どうやら縛られているらしい…
星一「しまったな…一杯食わされたぜ…R団の仕業か?
   それにしても…ここは一体………」
部屋は薄暗く、何も見えない。ようやく目が慣れてきた頃、
低い声がした。
××「目が覚めたか…」
星一の心臓がドクンと揺れた。
聞き覚えのある声だった。
三年前──忘れるはずも無いあの時の事。
そして、目が完全に暗闇に慣れてきた。
そこに立っていたのは紛れもなく、三年前
死闘を繰り広げたミュウツーだった…
    ......