新井星一物語エピローグ
こうして俺は広島カープに星満と一緒に入団した。
開幕戦に投手で選ばれた俺は
ノーヒットノーラン(奪三振数20内18がコースを付いた見送り)を
記録し、猪狩守はヒットを打たれながらも27奪三振、
大和は完全試合をやってのけた。
俺はショートでも試合出場をして、
鉄人衣笠の様だと言われたこともあった。
そして、シーズンがどんどん過ぎていくなか、
星満と大和の三冠王争いが話題を呼んでいた。
オールスターを前に
   打率 HR 打点
星満 .401    28    52
大和  .392    32    49

と言う数字だった。
順位は
1.巨人
2.横浜
3.広島
4.阪神
5.ヤクルト
6.中日
だった。
オールスター戦では
俺は投手で大和はレフトで星満は捕手。
猪狩守も投手としてオールスターに選ばれた。
結果はセ・リーグの圧勝に終わった・・・・

そしてシーズン最終戦・・・
順位は
1.横浜
2.広島
3.巨人
4.阪神
5.中日
6.ヤクルト
マジック点灯寸前で巨人が11連敗を喫してしまい、順位が一気に転落。
横浜と広島が上がってきて、
横浜と広島が0,5ゲーム差、広島と巨人も0.5ゲーム差と、僅差の戦いになった。
大和と星満の三冠王争いも話題を呼んでいた。
    打率  HR 打点
星満 .411     53   131 
大和  .4108    52   128
と、打点意外は正に接戦となっていた。
ちなみに星一は
打率 HR 打点
.409    51   101
と、一番打者での先発が多いため、打点が圧倒的に
少なくなっていたので三冠王からは退いた。

この日の試合は

広島−横浜
巨人−ヤクルト
中日−阪神

となっており、広島−横浜戦の勝者が優勝、
もし、横浜が負けて巨人が勝てば勝率で巨人の優勝という風になっていた。

そして試合が今シーズン最後の戦いが始まった。
横浜の先発は大和、広島の先発は星一だった。

  123456789
広島100010000 
横浜00000100

星一のHRで先制、5回には星満のタイムリーで1点を追加して、
打点を132に広げたが、6回に大和のHRで再び3点差。
HRは並ばれてしまい、打率は抜かされてしまったが、9回に星満が塁に出て
打率は星満が.412大和は.4119となり、再び上にたった・・・・が
その9回のウラ、二死満塁で大和の打順になってしまったのだった・・・・・・・

実況「さあ、マウンド上の新井、大変なピンチを迎えております!
   二死満塁で相手は新山の三冠王のライバル伊勢原です!
   二塁打で打率王と優勝が奪われ、HRなら、新山は無冠になってしまいます!
   しかし、カウントは追い込んでツーストライクワンボールです!」
球場が揺れていた。どちらのファンもこの試合を見に来て良かったと思っていた。
・・・ちくしょう、このまま負けてたまるか、星満に三冠王もやらなきゃならんのに・・・
いつも・・・いつもアイツが立ちはだかるなぁ、俺の前に・・・
とりあえずこの勝負にだけは勝つ!
星満のサインは・・・・・カーブ。
よし、アイツを信じるしかねぇな。
ギュウウゥウウゥウン!!
大和「クッ、カーブか!!」
カキーン!
時が止まった気がした。ボールがグングンレフト方向へ伸びていく。
歓声がドンドン沸き上がってくる。
結果は・・・ファールだった。
・・・・た、助かった・・・・
正直に心の底から思った。
歓声は先ほどの何倍もの大きさになっていた。
星一が再び構え直して、サインを見ていると・・・・
ふと、歓声が聞こえなくなった。
視界も大和と星満しか見えない。
それに、何故かスローモーションに感じる。
サインはフォーク。振りかぶって投げた。
ボールがゆっくりと星満の構えたミットへ飛んでいく。
大和がニヤっと笑った。
フルスイングでボールにくらいつく。
しかし、ボールは落ちた。
大和のバットが空を切る。
その瞬間、歓声が戻ってきた。
スローモーションの動きも終わっていた。
審判「ストラーイク!バッターアウト!」
実況「やりました、広島カープ優勝です!新山星満三冠王です!」
他の選手が俺に駆け寄ってくる。囲まれもみくちゃにされた。

順位
1.広島東洋カープ
2.読売ジャイアンツ
3.横浜ベイスターズ
4.阪神タイガース
5.ヤクルトスワローズ
6.中日ドラゴンズ

打率王:新山星満 .411
HR王:新山星満  53
    伊勢原大和 53
打点王:新山星満  132
・
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そして、日本シリーズ。広島カープと西武ライオンズの対決は
4勝2敗で広島カープが日本一に輝いた。
しかし、俺は日本シリーズでの無理がたたり、肘を故障してしまい、
リハビリの生活が続いた・・・

−その秋−
選手寮でボーッとしていた星一の元に客が訪れた。
ピンポ〜ン
星一「ハイ」
龍之介『よ、元気にしてっか?』
星一「お、龍之介か、懐かしいなぁ。ちょっとあがれよ」
龍之介『それじゃあ、遠慮なく』

星一「んで、どういう風の吹き回しだよ」
龍之介「いや、お前が肘壊したって聞いたからな」
星一「ああ、医者の話だと2〜3年はかかるかもしれないって言ってた」
龍之介「2〜3年か・・・・長いな」
星一「ああ、長いなんか心がからっぽになった気分だ」
龍之介「そう・・・か、じゃあ俺は帰るよ」
星一「なんだ、もう少しゆっくりしていけよ」
龍之介「いやいや、そろそろ会社に戻らねぇと」
星一「そうか、じゃあな」
龍之介「オウ」

次のシーズンは巨人が優勝に輝いた。
カープは3位だった。
その次のシーズンは横浜が優勝。
やはりカープは3位だった。

そして、俺の肘の治療も終わた。
そんな時、俺は監督に呼ばれた。
監督「星一、お前は来シーズンの開幕投手にしようかと考えている。いいな」
星一「ハイ、分かりました」

そして開幕戦の日が来た。
俺が復帰するという事で、広島市民球場には3万人がつめかけていた。
そして、俺はマウンドに登った。
実況「さあ、新井星一がマウンドに帰ってきました。
   3年前、20勝を獲得し、新山星満と共に、広島を優勝に導いた
   新井星一の復活です!」
星満からサインが出る。


−終−