新井星一物語ポケモン編第十二話:遺伝子ポケモン、ミュウツー
星一「これが……ミュウツー」
星一は愕然とした。
見ただけで相手の強さが分かる。
初めてのことだった。しかも、かなりの強さだ。
ミュウツーの顔が青白い部屋の中で笑みを浮かべている。
瞬は身震いを起こした。
その冷たいまなざしから放たれる
悲しい視線に。
自分達で勝てるのか?
何度も自問自答したが答えが出てこなかった。
光は何も感じなかった。
何も感じることが出来なかったと言った方が正確だろう。
ミュウツーの念力によって、吹く風。
その風を受けるだけで何も考えられなくなった。
??「フフ、ミュウツー!"ねんりき"だ!」
ミュウツーが片手を星一の方に向ける。
グンッッ!
星一が後ろへいきなり吹っ飛んだ。
ドカッ!
星一が部屋の壁に押しつけられる。
壁には少しヒビが入っていた。
星一「グ………このや……」
ミュウツー「…………」
ミュウツーが手に力を込める。
星一の体が少し壁にめり込む。
光「星一!!」
光がすぐに助けようとするが星一に止められる。
星一「くるな!光!巻き込まれちまうぞ!」
光「でも………」
星一「いいから!!俺は大丈夫だ!俺に構うな!
   お前はとりあえずあの柱に隠れろ!」
口ではそう言うものの星一はもう限界に近かった。
瞬「(星一さん……)行け!レオン!"火炎放射!"」
真っ赤な炎がミュウツーを襲うが、
ミュウツーがもう片方の手をレオンの炎に向ける。
そして、少し動いたかと思うと、
炎は四方八方に散っていき、ミュウツーには当たらなかった。
ミュウツー「愚かな」
瞬「そんな……当たる前に!?」
ミュウツー「無駄だ。私は強い」
口元がかすかな笑いを浮かべている。
余裕からの笑いだろう。瞬は雰囲気で分かった。
その間にも星一がどんどん壁にめり込んでいる。
光「瞬さん……このままじゃ、このままじゃ星一が……」
瞬「わかってます………
  どうやら、星一さんを抑えているのは
  片方の手だけ!
  つまり、両手をこちらへ向かわせれば星一さんが
  助かるはず………
  パピヨン!"影分身"でミュウツーを取り囲め!」
ミュウツーの周りをパピヨンが取り囲む。
瞬「"10万ボルト"!」
その瞬間全部のパピヨンから黄色い電気が飛んでいく。
ミュウツー「ムゥ………」
ミュウツーが初めて防御に手を二本使う。
その瞬間星一が解放された。
ミュウツーのねんりきで電気が全て散る。
星一「グハッ……ハ………ハ……………」
光「星一!大丈夫!?」
星一の呼吸がだんだん落ち着いていく。
ミュウツーが星一の方へ再び手を向ける。
瞬「星一さん!ミュウツーの手に気を付けて!」
素早く星一が遠くへボールを投げる。
星一「フシギソウ!"つるのむち"でひっぱれ!」
星一の体が素早く動く。ギリギリだった。
ミュウツー「………」
ミュウツーが両手を体の前であわせる。
星一「な?」
ミュウツー「フゥウウン!!」
ミュウツーの手のひらから紫色のエネルギー球体が表れた。
ミュウツー「……………」
瞬の方へミュウツーが向く。
そして、すぐそのボールを放った。
ギュウゥウゥウウウン!!
瞬「は、速い!」
ドゴオオオン………
辛くもそのボールから逃げ出したが、
後ろの壁がこなごなに吹っ飛んだ。
瞬「ヤバイですよ、こいつ。強すぎます。
  かすっただけでも危ないですよ、星一さん」
星一「ああ、わかる。壁の破壊具合でな…」
瞬「よし!カビゴン!」
大きい体のポケモンだった。
星一「え?カビゴン!?」
瞬「星一さんとクチバで別れた後、
  シオンの南でゲットしたんです。
  NNはボム……っと、そんなことを話してる
  場合ではありませんね。
  今までは打撃的な攻撃はしませんでした。
  相手は打撃攻撃に弱いかもしれません。
  ボム!"のしかかり"!」
ボムが放物線を描きミュウツーへ向かっていく。
ミュウツー「無駄だ」
ミュウツーが手をかざすとカビゴンの動きが止まった。
ミュウツー「弱い、弱すぎるな。これが所詮人間の限界か」
カビゴンは先ほどの星一の様に後ろの壁へ吹っ飛んでいった。
星一「くっ、こいつ無敵か!?どんな攻撃も効かない!」
その時、ミュウツーが先ほど出した
紫の球体を再びだした。
今度は星一へ向かって放つ。
星一「ゲンガー!サイコキネシスで逸らせ!」
紫の球体に力をかけるがまるで効果がない。
星一「クッ!逃げるぞ!ゲンガー!」
わずかに攻撃がかすった。
高電圧をかけられたような気分になり、
全身に痛みが伴った
星一「グ………」
着地の瞬間に足に痛みが走った。
星一「ダメだ!逃げるしかないぞ瞬!」
瞬「はい……………」
その後何回も球体を投げてきたが星一達は
上手く交わしていった。
そして…………
ドオォォォオオォン……
星一がまた交わした。
壁も崩れガレキが落ちてくる。
星一(はじめは壁が粉々になったが今はガレキが
   出来るほどだ。大分威力が落ちている
   もうすぐ勝負時だな………)
瞬(しかし、接近戦ではやつのサイコキネシスを
  まともにくらう危険性がある!果たして勝てるのか…)
そして、星一がモンスターボールに手をかけた。
決着を付けるために。
しかし、星一は気付かなかった。
先ほどミュウツーが破壊して出来た
ガレキが星一の背後で宙に浮き始めたことに……………