新井星一物語ポケモン編第十八話:噴火口での死闘
星一「……龍之介」
龍之介がこちらを振り向いた。
龍之介「なんだ、星一か。何してんだ?こんな所で」
星一「……グレンに用事があるって、来る途中に
   こっちのほうから音が響いたからな。
   それで街の人に話を聞いたら火山が……」
龍之介「まあ、だいたい俺と同じような感じか」
星一「で、なんか見つかったのか?」
龍之介「いや、特には見つからな……」
星一の目に、紫色の球体が写った
星一「!?アブねぇ!」
星一が龍之介を引っ張る
龍之介「!!??」
ドゴォオオオン!
龍之介のいたところの近くの壁が壊れる。
星一(今の攻撃は……まさか……?)
最悪の予想が星一の頭をよぎる。
龍之介「な、なんだ!?いきなり壁が………」
星一(この攻撃は向こうから飛んできた。向こうに行けば…………)
星一が歩き出した。
龍之介「オイ、星一。どこ行くんだよ!?」
星一の頬から汗が滴り落ちる。
噴火口と言うこともあるだろう。とても暑い。
しかし、それ以上に最悪の予想が星一の頭をよぎった。
そして、上に登り切った所に影が見えた。
星一「……………………」
噴煙がスウッと引いていく。
そこには………
星一「やはり……ミュウツー!お前か!」
ミュウツーがいた。タマムシ地下で死闘を繰り広げたミュウツーが。
ただ、違うのは背中の管が無くなっていることだけだった。
自分の念で浮いているのだろうか。地面に足がついていない。
龍之介がやっと星一に追いついた。
龍之介「あれは……ミュウツーか!?」
星一「知ってるのか?」
龍之介「ああ」
ミュウツーがこちらを向いた。
星一「来るぞ!!」
再びミュウツーは紫の球を作り始めた。
龍之介「カイリュー!"ふぶき"であいつの動きを封じろ!!」
凍てつく氷の波動がミュウツーへ向かっていく。
ミュウツーが片手を防御に使った。
氷がミュウツーの周りに飛び散る。
龍之介「か、片手で!?」
??「無駄だ」
声が聞こえる
龍之介「誰だ!?」
??「答える義務はない」
龍之介「なんだと!?」
??「星一……君だったかな?」
星一「なんだ!?」
??「タマムシでの君の活躍は見させて貰った
   いやぁ、素晴らしい戦いだった」
星一「…………………」
??「あの時のミュウツーは背中に生命維持管がついていたのだが
   あの時よりもR団は科学力が進歩した。
   完全ではないが、生命維持管が無くても生きられるように
   なったのだよ。
   君は優秀なトレーナーだ。しかし、ミュウツーに再び
   あったと言うことは……」
ミュウツーが攻撃の構えを取った。
??「次の朝日は拝めないと言うことだ!ミュウツー!!」
ミュウツーが両手を前にかざした。
凍てつく氷の波動が星一へ向かっていく。
星一がよけようとしたが、間に合わず、足が氷で固定されてしまった。
星一「これは……"ものまね"!?"ふぶき"を"ものまね"したのか!」
今度はミュウツーが球を投げて攻撃に移る。
星一「くっ、足が取れない……」
球が星一を直撃する。衝撃で氷が壊れた。
星一「グ………」
星一がその場で倒れる。
また、ミュウツーが攻撃に移った。
星一「よけろ!龍之介」
龍之介「わかった!」
よけると壁にまた、球が当たる。
龍之介「(………強い。おそらく俺が知ってる
     ポケモンの中でも最高クラスだ……)」
星一「力をあわせるぞ!光!
   龍之介、いいか作戦は………」
なんとか立った星一が話しかける。
光「ウン!」
龍之介「分かった」
星一「シードラ!!"ハイドロポンプ"!」
光「ミュウ!"かみなり"!!」
龍之介「リザードン!"だいもんじ"!!」
ドゴォオン!!!!
大爆発が起きた。
サントアンヌ号で使った方法でダメージを与えようとした。
煙が立ちこめる。
星一「気を付けろよ。どこから攻撃が来るか分からない」
他の二人にも緊迫感が走る。
ギュウゥウン!
煙の中から紫の球が飛んでくる。
星一「ゲンガー!飛んできたほうに"サイコキネシス"!!」
龍之介「よし、メタモン!」
星一「!メタモンで"へんしん"するのか?」
龍之介「ああ」
噴煙からミュウツーが出てきた
龍之介「よし!"へんしん"だ!」
メタモンの体が急に変わっていく。
その姿は正しくミュウツーだった。
ポケモン図鑑を開いて龍之介が呟く
龍之介「……あの紫の球は"サイコキネシス"のエネルギーを
    ボール状にして、パワーを凝縮したワザだと?
    言うなれば"サイコボール"!」
星一「本来、サイコキネシスは辺り一帯に力を加えるワザ。
   それを一人用に力を凝縮したというのか………………」
龍之介「よし!メタモン!"サイコボール"だ!」
メタモンがミュウツーの方へつっこんでいった
星一「よし、ゲンガーやり方さえわかれば出来ないこともない」
ゲンガーが頷く。
龍之介「いくぞメタモン!"サイコボール"連発!!」
メタモンが次々に"サイコボール"を解き放つ。
しかし、ミュウツーはそれら全てを念で弾き返した。
さらにミュウツーが力を溜める。
龍之介「ヤバイ、でかいのが来る!!」
いつものやつの3倍はありそうな"サイコボール"を
ミュウツーは龍之介に投げつけた。
龍之介「やばい、すぐに同じだけのエネルギーは蓄積出来ない!
    や、やられる………」
その瞬間、同じぐらいの"サイコボール"当たり、軌道をそらした。
ふたつのサイコボールが壁にぶつかり、大きい音が轟く
ミュウツー「!?」
煙立ちこめる中、星一とゲンガーが見えた。
龍之介「星一!!」
星一「俺のゲンガーも"サイコボール"、マスターしたぜ」
星一がニッと笑った。
星一「いいか、龍之介、俺が打てっていったら"はかいこうせん"
   打ってくれないか?」
龍之介「あ、ああ、わかった」
星一「ゲンガー!"サイコボール"を最大まで力を溜めるんだ!」
ゲンガーの手から紫色の球が出てくる。
ミュウツーが接近戦に切り替えてきた。
念でボールから今度は刃を造り、接近してくる。
龍之介「メタモン!ゲンガーを守れ!!」
メタモンもすかさず念の刃を造り、ミュウツーからゲンガーを守る。
ミュウツーとメタモンの力は互角。
一進一退を繰り返している。
その瞬間、フッとミュウツーの刃が消えた。
メタモンがバランスを崩し倒れかかる瞬間、再び刃を出し、
メタモンの体を貫いた。
龍之介「メタモン!!」
メタモンに駆け寄る。
力が抜けてしまったためか、変身は解けていた。
龍之介「(メタモンは全身の力を振り絞って前に行こうとしていた。
     だから、刃が無くなれば、前につんのめる感じになる。
     その隙を突いた……しかも、奴は本能的に行動している。
     まさに……まさに、戦うためだけに生まれてきたポケモン!)」
星一「よし!エネルギーはたまった!いっけぇ!」
ゲンガーがサイコーボールを放った。
ミュウツーが両手を防御に回した。
星一「光!ミュウツーの足下にミュウで"10万ボルト"だ!」
光「わかった!ミュウ!"10万ボルト"!!」
ミュウツーの足場が崩れる。
それに伴い、ミュウツーも落下し始めた。
念で浮くので大したことはなかったが
星一「よし、ミュウツー目掛けて打て!」
龍之介「OK!!」
"はかいこうせん"がミュウツーを押し込む。
星一「光!お前もミュウで"はかいこうせん"だ!
   いくら奴でも溶岩は耐えられないはず!!」
さらにミュウツーが押し込まれる。
ミュウツーが大分押され、溶岩すれすれの所まで来た。
龍之介「成る程、やつは念で浮いている。
    その念を止めたら当然落ちてしまうから、
    やつは俺らの攻撃を跳ね返せない。
    しかし、俺らの攻撃によって押し込まれるって言うワケか
    よく、考えた作戦だな」
星一「そういうこと、そして……」
ゲンガーの手からサイコボールが出る。
星一「とどめだ!ゲンガー!"サイコボール"」
ミュウツーが溶岩の中に入っていった。
しばらくマグマが揺れ動いたが……動かなくなった。
星一「………勝った……」
光「ウン、ア、アレ??………私のミュウがいない!?」
二人「何!?」
??「フハハハハハ!ミュウはR団本部へ持ち帰らせてもらうぞ!」
星一「!!しまった……」
??「これでミュウツーが完成する!あの方も喜んでくれるだろう!」
龍之介「ヤバイんじゃないの?」
龍之介がこちらを仰ぐ。
星一「早く、早くミュウツーを止めなければ!」