新井星一物語ポケモン編第二十二話:白き破滅の吹雪、フリーザー
龍之介は更に奥へと進んでいった。
龍之介「ったく・・・どんどん暗くなってくるじゃねぇか……」
照明がどんどん薄暗くなってきた。大分前の方が見えなくなってきている。
すると、ドアがうっすらと見えてきた。ノブに手をかけ、回す。
ギイィィィッという音と共にドアが開いた。
薄暗い空間がそこにあった。

−三階−
星一は氷に覆われながら考えていた。
星一(とりあえずアノ輪を狙ってみるしかないな…
   だが、とりあえずここから脱出しければ……)
星一があらかじめ出してあったゲンガーに目でサインを送る。
ゲンガーがコクと頷き、"サイコボール"を手の付近をかすめるように当てた。
星一「よし、手が動ければこっちのもんだ。
   ストライク!この氷を砕いてくれ」
ストライクがボールから出て鎌を二三度振ると、星一を覆っていた氷が砕けた。
すぐにフリーザーが攻撃態勢に入る。
星一「シードラ!!"なみのり"だ!」
部屋中に水が溢れ、波が出来た。
キョウ「"れいとうビーム"だ!」
フリーザーの口から冷気が吹き出した。
その瞬間に、"なみのり"の波が凍ってしまった。
星一「波まで凍らせるとは……凄いパワーだ……
   シードラ!"ハイドロポンプ"をまき散らせ!!」
"ハイドロポンプ"が全てフリーザーの冷気で凍ってしまう。
キョウが一瞬にしてそびえ立った氷の柱に囲まれた。
キョウが氷のひとつをコンと叩いた。
キョウ「しまった……氷が邪魔をして……敵の姿がみえない…
    フン、まあいい。フリーザーの冷気で凍らせた水だ
    ヤツもこの場に姿を見せなければ攻撃など……」
星一「フシギバナ!"体当たり"!!」
突然氷の柱がグラッと揺れた。
キョウ「な!何ィィッ!柱が崩れてくる!まさかコレが狙いか!」
柱がフリーザーとキョウに向かって激しい音を出しながら氷の柱が倒れていく。
星一「よし…とりあえず作戦通り!」

−その時−
サカキ「フフフ……フハハハハ!遂にッ!
    遂にミュウツーの誕生だァァッ!!」
ミュウツーがカプセルの中からはい出してくる。
力無くミュウツーが言葉を発した。
ミュウツー「……私は……ミュウツー」
サカキ「そうだ、お前はミュウツーだ!
    私の部下となって働くがいい!!」
大分力も出てきたミュウツーがしゃべり始めた
ミュウツー「私は・・・戦うためだけに生まれたポケモン」
ミュウツーが更に言葉を続ける。
ミュウツー「まずは……お前だ」
サカキ「なッ!?」
ミュウツー「お前が…第一号だ」
ミュウツーの手から紫色の刃が出てきた。恐らく念を固めた物だろう。
サカキ「待て!俺はお前の親・・ぐぅッ!」
刃がサカキの体を貫いていた。
ミュウツー「親?なんだそれは……
      私の心に存在するのは破壊と戦いだけだ……」
ミュウツーが紫色の刃をスッと消した。
サカキが鮮血と共に音を立てて落ちた。

−そして−
氷の柱からフリーザーが出てきた。
一瞬身構えた星一だが首についていた輪が取れているのを確認すると
星一「お前は・・・操られていたのか?」
フリーザーが頷いた。
星一「よし、なら一緒に戦ってくれるか?」
フリーザーがまた頷いた。
星一「よし、・・・とりあえず龍之介と合流するか」

−七階−
星一「瞬!」
瞬「星一さん?」
星一「お前の方は・・・誰か居たか?」
瞬「一応・・サンダーと戦いました。今はもう仲間ですけどね」
星一「俺も・・・フリーザーを仲間にしたんだが・・・龍之介がいないな」
瞬「そうですね。合流しようと思っていたんですけど・・・」

−龍之介は−
龍之介「ん?なんだ?えれぇ厳重な部屋だな、とりあえず入るか・・・」
ギイィイィイッ
龍之介「なんだ・・・この廊下は・・・?!血の匂いがする・・・」
ツバをゴクっと飲んだ。
龍之介「へ、ヘヘ。上等じゃないか」
ズンズン足を進めていった。
廊下を右に曲がった瞬間に広い部屋に出た。
龍之介「な!?あれはミュウツー?!」
そこにはサカキを刺したミュウツーが居た。
すでに部屋はミュウツーのありふれる力で振動している。
ミュウツーはこっちを向いて、ニヤリとすると、
ミュウツー「ホウ・・ちょうど退屈していたところだ。良いところに来たな」
龍之介(や、やばいかもしれない・・・・が)
龍之介「ストライク!”剣の舞”で攻撃力を上げて、 
    ”電光石火”で”切り裂く”だ!」 
龍之介は3つの技を同時にするようストライクに言った。 
ストライクは言われたとおり、3つの技をこなしたが、 
ミュウツーには殆ど効かなかった。 
ミュウツー「むぅ…人間と自然のポケモンにしては 
      なかなかやるではないか。 
      しかし…それでもわたしの足元にも及んでいないがな」 
龍之介「……化けものめ!」 
ミュウツー「ムゥゥゥウン……」 
龍之介「……?」 
バチッ……バチバチバチッ… 
ミュウツーの手から火花が出る。 
"サイコボール"の前兆だった。
そして両手をストライクに向けた。 
龍之介「!! やばい!ストライク!"でんこうせっか"で逃げろ!」 
遅かった。 
ストライクはミュウツーの"サイコボール"によって、瀕死状態になった。 
ミュウツー「はっはっはっは。貧弱な物だな。自然ポケモンというのは。 
      どれ、まだくるのではないのか?汐瀬君」 
龍之介「今度こそブッ殺す!容赦しないぞ!いけ!メタモン!」 
龍之介はメタモンを出した。数ある龍之介の通り名の中の一つ、 
『変身の龍之介』という名がある。 
ミュウツー「……(この迫力…レベル60ほど…と見たな)」 
龍之介「メタモン!"へんしん"だ!」 
龍之介のメタモンはミュウツーそっくりに"へんしん"した。 
ミュウツー「ほぅ…これはこれは。楽しいぞ」 
龍之介「メタモン!"サイコキネシス"!」 
ミュウツー「だが・・・所詮は偽物だ。
      ふん。自然ポケモンの分際で私に刃向かうなど片腹痛いわ!」 
ミュウツーは片手でサイコキネシスを受け止め、 
裳圧で龍之介とメタモンを吹っ飛ばした。 
龍之介「くっ、思ったよりヘビィな相手だぜ、こりゃ…」 

龍之介「て、てめぇ…レベル70じゃないのかよ……」 
ミュウツー「あぁ、数学的なレベルは70だ。しかし人工的に 
      産ませられた私は数値以上の力を出す事が可能なのだ」 
龍之介「お前…今度俺が生まれ変わったら…絶対殺してやるからな…」 
ミュウツー「あぁ、楽しみにしている。では安らかに眠るがいい… 
      我が永遠のライバルよ」 
ミュウツーのサイコキネシスが龍之介に直撃した。
龍之介は床を突き破って吹っ飛んでいった。

−七階−
星一「とりあえずあいつと合流・・」
ドッグァァァン!
星一の後ろに龍之介がぶっ飛んできた。
星一「な・・・龍之介?!」
瞬「龍之介さん!?」
星一「この傷の酷さは・・・ミュウツーだな!オイ!場所を教えろ!」 
龍之介「!? …せ、星一…逃げろって言ったろ…マ…マジに…殺される」 
龍之介の全身は火傷、凍傷、麻痺なのでロクに体が動いていない。 
龍之介は星一達を逃がすために死を覚悟した様子だった。 
星一「三人死ぬときは一緒だとかいったくせに
   お前が死にやがったら俺が殺すぞ」 
龍之介「わ、ワケわかんねぇぜ…」 
瞬「龍之介さんのポケモンが…全部やられている…」 
星一「信じられないな…俺がこいつに簡単にやられたのに…」 
星一「とりあえず行くぞ。お前がイヤだと言ってもな」
三人は龍之介の吹っ飛んできた所を
フシギバナの"ツルのむち"で登っていった。

−そして−
登り切ったところにミュウツーが居た。
星一「ミュウツー!勝負だ!」
ミュウツー「ほう、またも暇つぶしが来たな。それも2つか・・・」
星一「へ、暇つぶしじゃ終わらせないぜ」
ミュウツー「…人間は頭が悪い……死なないと気がつかないのだ。 
      友情・愛情・信頼。全てが嘘。全てが偽りだということに… 
      あのまま逃げていれば殺されはしなかったものを…」 
そこで龍之介の意識がとぎれた。 
星一「ここでゲームオーバーにしてやるぜミュウツー!」 
瞬「ボ、ボクもやるときはやるってことを見せてあげますよ」 
ミュウツー「人間め…どこまでも気にくわない生き物だ…」