ポケ編第4話「日隆生解雇さる!?」
−二軍用球場−
凡田「今日は、一軍の選手がケガをしたから、
   その替わりを見つける試合でもあるらしいでやんすよ」
日隆生「ほ、本当かい?凡田君!」
凡田「多分本当だと思うでやんす!絶対ガンバルでやんすよ!」
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27人の打者に3被安打無失点という結果だった。
古沢「日隆生、今日は調子良かったな!」
日隆生「これなら一軍でも通用しますよね?」
古沢「ああ、そうだな……
   あ、あの入院選手の件か。
   悪いが、入れ替え選手は水木に決まってるんだ」
日隆生「え、あ、そうなんですか」
古沢「いや、でも今日の出来なら
   いつでも一軍でやっていけるだろう。期待してるぞ!」
明かにうなだれた日隆生を古沢が気遣った。
日隆生「は、はい!」
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それからオレは練習を繰り返していた。
しかし、とある事件が起きた。
10月の半ばの事だった。
凡田「大変でやんす!モグラーズが買収されちゃったでやんす!」
凡田がオマケ付きのチョコをかかえながら走り込んできた。
日隆生「ええっ?…って凡田君、その手に持ってるのはなんだい?」
凡田「う、ああ…こ、これはオイラのでやんすよ!
   …と、買ったのは大神グループってところでやんす」
日隆生「あの有名な?!
    でも、どうしてこんなボロチームを
    買ったんだろう?」
凡田「なんでも、会長の息子が高校で野球を
   やっていて、プロで活躍させるために
   モグラーズを買ったらしいでやんす」
日隆生「なんだ、そりゃ?
    親の七光りでプロになったって
    活躍なんてできないだろうに」
凡田「それが、超高校生級のスーパー選手らしいでやんす!
   どうも、息子を最高の環境で野球させたかったみたいでやんすね」
凡田が力を込めて叫んだ。
日隆生「すると、この球団の設備や球場も
    改善される可能性が高いわけか」
水木「やれやれ……お気楽だね、お前等」
水木が後ろから話しかけた。
日隆生「え?どうしてです、水木さん」
水木「息子に悪い影響をあたえないようにって
   俺達ベテランを、まとめてクビに
   するかもしれないんだぜ!」
日隆生「ええ!ハハ…まさか」
凡田「オイラ、練習するでやんす!」
日隆生「オレも練習するぞ!」
(モグラーズが大神モグラーズになった!)

そして、秋季キャンプが開催された!

北条「使えそうなヤツはいるか?」
古沢「あの日隆生なんか結構いいぜ」
北条「といっても今までが全然駄目だったじゃないか。
   本当にいいのか?アイツは」
古沢「でも、そろそろアイツにも華を…」
北条「そういう温厚主義は嫌いだね。それとも他人と思えないとか?」
古沢「………………」
  
日隆生「あれ?監督が2人そろってこっちに来たぞ?」
古沢「日隆生!ちょっと投げてみてくれ」
日隆生「はい!
    (よーし、ここでオレの実力を見せてやる!)」
    
オレは10球全部注文通りの場所へ投げた。
北条「ほう…いいじゃないか」
古沢(よし、日隆生!良くやった!)
凡田「やったでやんすね!日隆生君!アピール成功でやんすよ!」
日隆生「ありがとう、凡田君!凡田君も頑張ってくれよ!」
凡田「合点承知でやんす!」

−大神グループ会長室−
大神「まったく、パパも無茶をするね、会社を買い取るなんて」
会長「フン、前の親会社がワシの所から
   借りた金を返せそうにないのでな。
   物で返してもらっただけだ」
大神「………ボクがモグラーズ以外の球団に指名されたら?」
会長「さて、パパの意向に逆らって
   ドラフトでお前を指名する
   度胸のある球団があるかな?」
大神が心配そうな表情をした。
会長「まあ、心配するな。
   お前が活躍できるように、相手チームに
   圧力をかけたりはせんよ。そういう操作は
   ばれたときのイメージダウンが強烈だからな」
大神(一応検討はしてみたんだね)
会長「ところで、契約更改に参加することにしたぞ」
大神「えっ、パパが?そんなの球団の人に………」
会長「お前のチームメイトとやらがどんなゴロツキ
   連中なのか、見ておきたくてな。
   まあ、パパも楽しませてもらうぞ」
数日後、会長の思惑通り、大神はドラフトで
単独一位で指名され、大神モグラーズに入団した。
そして、契約更改の日……
日隆生「今日は契約更改だ。オレって、前は
    スター選手だったから、まともに交渉
    したことないし、ちょっと自信がないなぁ」

−大神グループ会長室−
日隆生「日隆生です、契約更改に来ました」
会長「君には2つの選択肢がある。
   その契約書にサインするか、回れ右して
   出ていって、新たな職業を探すか、だ」
日隆生「ええっ!?
   (しかも、この契約書の金額はプロ野球で
    決まっている最低年俸じゃないか!)」
会長「どうした?サインするのか?しないのか?」
日隆生「サインさせていただきます…」

−土手−
日隆生「小杉だった時は、こんな屈辱
    味わったこと無かったよなぁ………」
凡田「日隆生君、聞いたでやんすか?
   あの小杉選手の年俸は2億円だそうでやんすよ!
   新山選手なんか4億円は堅いらしいでやんす!
   オイラ達の50倍近いでやんすね」
日隆生「……くっそー!」
凡田「い、いきなりどうしたんでやんすか?」
日隆生「凡田君!オレは負けないぞ!」
こうして、オレの一年目は終わった。