新井星一物語高校編第二十一話:打球の行く末

星満はバッターボックスの中で打球の行く末を見ていた。 星満(まずい・・・打ったときの感触、打った位置、    ボールの回転具合、そしてこの風・・・ほぼ100%切れる) 星満の予想通り見事にボールは切れていってしまった。 大和(フフ・・あのボールにあてるとは・・・なかなかだな    だが俺のフォークなら例え当たったとしても・・・・) 第二球はフォークだった。 星満(フォーク!) 星満の手前で落ちる。ボール球だった………が。 カキーン!!! 大和「な!?」 ボールがバックスクリーンに激突した。 ホームランだった。 観客「ワァァァアアアァァ!」 歓声が激しくなる。 星満が小さくガッツポーズを取りながらベースを一周した。 星一がすぐさま駆け寄る。 星一「星満〜!よくやった!」 星満「まぐれだよ、まぐれ」 星一「ハハハ!よっし!次は俺も打つか!」 阿畑はデッドボールで出塁。 春東が送りバントを決めようとするがゲッツーに抑えられた 二回の表終了 城1−0佐 −二回のウラ− 実況「さあ、出てきました!怪物伊勢原君!    彼の過去の記録は打率7割!    しかもその9割はホームランでの出塁です!」 大和「フゥー………」 軽く大和がいきをはく。 実況「さぁ、今大会一番の対決です!」 星一(…………どうするんだ、星満) 星満(大和は星一のシュートと実際戦ったことはないはずだ    だからシュートを外角の低めから一気に内角ど真ん中    へ行くシュートを投げればきっと打てないはず………だ) 星一(分かった) 結果は大和のファールでストライクを取る。 星満(そして次は………フォークだ。ど真ん中にフォーク) 星一が振りかぶって投げる。 大和(フォーク!甘いぞ星一!) しかし、大和の想像以上にボールが落ちる。 大和「くっ!」 ガキッ!ファールだ。 星一(ここは………カーブか!?) 星満(いや、カーブは危険だ。もう一回シュートだ。) 星一がボールを投げる。 大和(………………シュートか。しかし、切れる) 大和の予想通りボール。 次の球はフォークで再びファール。 そして、4球目星一がカーブを投げる。 大和「よし!見切った!」 ガキッ!星一のカーブを打つと鈍い音がする。 ライトのフェンスギリギリの所へボールが飛んでいった。 大和が走りながら打球を目で追う。 鴨方のグラブにすっぽりボールが収まった。 星一(よし!大和を抑えたぞ!) その後は全員を三振にしとめ、2回のウラも終わった。 二回のウラ終了 城1−0佐 三回の表は、夏西、秋南、冬北三者凡退。 三回の表終了 城1−0佐 三回のウラ、7,8,9番を三者三振。以前完全試合が続く。 三振数は8、驚異的な数字だった。 四回の表、阿畑が凡退、星一の打順。 星一「よし、打つ!」 大和「じゃあいくぞ、シンカーだ」 星一「おい、人をなめるのもたいがいにしろよ。二球目なら俺は打つぞ!」 大和「ハンデだよ、ハンデ」 星一「何?」 大和「いいから、うてって。ホラ」 大和の言うとおりシンカーだった。 星一「クソッ!」 ブン!星一が全く別の場所を振る。 そのまま三振に終わった。 星一「ハンデなんざまっぴらだ!あとで吠え面をかくなよ!」 大和(……ワザとか) そして、ミッキーは凡退。攻撃が終了した。 四回の表終了 城1−0佐 四回のウラ 星一は1番,2番,3番を三者三振。以前完全試合だ。 五回の表、鴨方の頭に強烈なデットボールが、しかし星満は ピッチャーフライ、春東と夏西は三振だった。 五回のウラ、大和の打席 実況「ああっと星一君ファーボール!コントロールの良い    星一君には珍しいことです!」 星一(ファーボール……クソッ!) しかし、残りは三者三振。ノーヒットノーランは続く。 六回の表は秋南凡退、冬北三振。 六回のウラ、8番,9番,を三振、1番と2番をファーボールで 出してしまうが3番を三振に仕留めてこの回を終える。 七回の表、星一からの好打順だったが 星一はセンターフライ、 ミッキーは三振、 鴨方はショートライナーで三者凡退。 七回のウラ 大和は配球でウラをかき、サードゴロに仕留めた。 5番は星一が安心したのかファーボール。 しかし、6番、7番を抑え、この回も終了 八回の表、 星満は気迫のこもった投球に押され、センターフライ、 春東は三振、 夏西は安打で塁に出て、 秋南のライトへの安打で1,3塁。 冬北はファーボール。二死満塁である。 阿畑が強烈な打球を打つが ショートのファインプレーでアウト。またしても追加点を逃した。 そして、八回のウラ 8番をファーボールで出し、9番は三振 1番を痛いデッドボールで出してしまうと 2番をそのショックでファーボールで出してしまう。 3番を抑えるが満塁で大和の打席が来てしまった。 ウグイス「四番、ピッチャー伊勢原君」 歓声が甲子園を割れんばかりに圧倒する。 星一(もう、押し出すことも出来ない。    勝負しかない。勝負しか………) 大和「打てば勝利だ!来い星一!」 星一「ええい!フォークだ!」 ヒュッ………カキーン!! 星一(!?) ボールを星一が探す。 無い。 どこだ、どこなんだ。 ボールが見つかった。 ライトスタンドへ飛んでいく。 しかし、飛距離はいまいちだった。 星一「よし!アウトだ!」 鴨方(おし!アウト………!?) 頭がズキッとした。先ほどのデットボールの痛みが走った。 ポト………ボールが鴨方のボールからこぼれ落ちた。 エラーだ。 すでに一人ホームインしている。 鴨方「やばい!」 素早くボールを取り、ホームへ投げる。 星満がそれを素早く取り、タッチに行く。 ズサァアアァッ! 星満「どうだ………?」 審判「セーフ!セーフ!!」 鴨方「あ、ああ………」 鴨方ががっくり肩を落とす。 星一「逆………点?」 1−2になってしまった。 実況「ああっと!ノーヒットながら2点を    取られて、逆転!城南高校ピンチです!」 次の打者を三振に仕留め、攻撃を終わる。 ベンチに戻るときに鴨方が駆け寄る。 鴨方「………スマン」 星一「気にするな、俺が沢山塁を埋めてしまったのも    悪かったんだから」 鴨方「………………」 星一「落ち込むなよ!まだ攻撃は一回あるだろ」 鴨方「あ、ああ」 そして9回の表、 星一「ふぅ………勝つぞ!」 大和「さて、そいつはどうかな?」 星一「よし、来い!」 大和「俺はストレートで行くぞ」 星一「もう、ハンデは……」 大和「違う、ハンデじゃない。お前とはマジで    戦いたい、そして俺の一番自信のある球が    ストレートだ。だから、それで勝負したい」 星一「わかった……」 ギュウウゥウン! カキ! ファールだった。 その後何球ファールが続いただろうか。 カキーン! レフトスタンドへボールが飛んでいく。 しかし、切れてしまい、結果はファール。 大和&星一(次が……最後の一球だ!) カキーン!レフトスタンドへボールが飛んでいく、 しかし、ライナー性の当たりのため、フェンスに直撃すると 二塁へ走る前にすぐ、野手が取ってしまった。 ミッキーがバントで星一を二塁へ送る。 星一「鴨方!お前なら打てるぞ!」 鴨方(ヤレヤレ……今まで野球でマジに    なった事は一回も無かったが、    星一のあの熱い気持ちに触れたら    マジになっちまいそうだ………    今の俺は"勝ちたい"と思っている。    そして、今ならかつて無い力が出せる!) 大和がボールを投げる。 ギュゥウウゥウウンカクッ!シンカーだ。 鴨方「ウォオオオ!!」 ズキッ! 頭に激痛がはしる。 カーン!! 甲子園が一瞬静まったような気がした。 ワァアアァァアアアア! すぐに歓声が聞こえはじめた。 特大ホームラン。バックスクリーンの上の方に 激突する見事なホームランだった。 ホームインしたとき鴨方が倒れた。 交代選手として稔があげられた。 鴨方は目が覚めた。ベンチで寝ていたらしい。 頭には濡れたタオルが乗っかっている。 突如歓声がでかくなった。 鴨方は試合をやっていたことを思いだし、すぐさま ベンチを飛び出した。 星一と星満がかけよって喜び合っている。 鴨方はスコアボードを見た。 そこにはくっきりと城3−2佐と書かれていた。 星一「よくやった鴨方!」 星一がこちらに気づき、叫ぶ。 星一「ホラホラ、胴上げだ胴上げ!」 星一が手を引っ張る。 鴨方「ちょ、ちょっとマテよ。まだ頭が」 星一「いいっていいって、ホラみんな!ヒーローの登場だぞ!」 星満「よっしゃ、胴上げだ!」 鴨方が何度も宙に舞った。 城南高校二年目の夏優勝!