新井星一社会人編 第三話:見えっぱりの合宿
星一「和歌山にですか?」
星一は猪狩茂に呼ばれて、説明を受けているところだった。
猪狩茂「ああ、そうだ。龍之介にも伝えておいてくれ」
オフィスルームに行くと、龍之介が珍しく仕事をしていた。
星一「おい龍之介」
龍之介「ほら来た」
星一「なんだ?」
龍之介「わあ!新井かかりちょー!」
星一「わざとらしいんだよ。
   龍之介、社長が呼んでるぜ」
龍之介「ああん?」
龍之介は社長室へと向かっていった。
不安そうな顔を浮かべていたのはクビを心配していたのだろう。
茂の用件は
"龍之介と守と進と、それから星一と星満と拓郎と矢部が和歌山の
 全日本強化合宿に影山さんが招待してこられたのだ"
だからクビの心配はまるでないのだが・・・・

−合宿所−
岸本「えー忙しい中、この全日本合宿に参加してくれて
   非常に有り難く思う」
星一(ありがちの挨拶だな・・・・)
龍之介「半強制的だけどな」
拓郎「黙って聞け!」
岸本「私がこの合宿の責任者の岸本だ。
   スケジュールは厳しいが必死に練習に取り組んで
   レベルアップしてくれ!」
龍之介「やっぱり厳しいのではないか…」
拓郎「黙れっつってんの!!」
岸本「では、各自練習に取り組んでくれ!」
龍之介「うっひゃぁ…見ろよこのバーベル…」
拓郎「げ…パラシュートまであるぞ」
星一「コース投げか…やっぱりいい練習メニューなんだな」
龍之介「チューブまであるぞ。…すっげぇな…」
それから龍之介(と拓郎)は手を抜いて
練習していたんだが……
その後にそれが命取りになるとは
そのころの二人は夢にも思わなかった。

−翌日−
カッカッカッカ・・・
AM9:30。龍之介の部屋、503号室に行く足音が聞こえる。
星一だ。
星一「・・・全く・・起床時間は6:00だぞ。いつまで寝てるんだあいつは。
   全くどこに行っても行動パターンが読めるやつだ・・」
星一は呆れ顔で言った。
どんどんどん!
・・・
だん!だん!だん!
・・・
星一「チッ・・爆睡してやがるぜ。あの野郎達・・」
星一はフロントに駆け下りた
星一「・・すまないが503号室の鍵を渡してくれるか?」
フロント「ハイ、かしこまりました・・・ん?おい!的場君!」
的場「はい?」
フロント「503号室の鍵はどこだ?」
的場「503・・あの、お客様、もしかして汐瀬龍之介様と早乙女拓郎様の部屋   ですか?」
星一「?そうだが・・」
的場はため息をついて言った
的場「それなら昨晩・・」


龍之介「おい、悪ィけどオレらの部屋の鍵くれねぇか?」
的場「は?お客様の部屋の鍵をですか?」
龍之介「そうだ。さあくれ!今すぐに!」
的場「いえ・・・そんなことを言われましても・・」
的場「な・・何故ですか?」
龍之介「俺様の安眠のためだ?」
的場「はぁ?」
龍之介「早く出せよ!」


星一「で、渡しちまったのか・・」
的場「ハイ・・・すごい剣幕だったので・・」
星一は少し考えて言った
星一「じゃあドアの補修とかを全部含めた値段を教えてくれ」
フロント「はい?」
星一「ドアを壊す。修理代は猪狩コンツェルンから取ってくれ」
フロント「え?ちょっと、お客様!」

星一は階段を駆け上がった。さすが野球部、
一階から5階まで駆け上がっても息切れひとつしていない。
星一「無駄とは思うが・・・」
どん!どん!どん!どん!どん!
・・・・・
星一「しかたねぇな・・・・」
星一はドアの前で構えた。
星一「ハァ!!!!!」
メキメキバキャメキ!!
星一はドアを蹴破った。
そのものすごい音でほかの客は、当然飛び起きた
客「なんだなんだ!?」
客「なんの音だ!?」
星一「いえいえ、なんでもないです。おさがわせしてすいません」
星一はそう言って龍之介の部屋に入った
星一「おい龍之介。起きろ!!」
龍之介「ぐー・・・・」
星一「龍之介!!!」
龍之介「えひゃひゃひゃひゃ」
星一「チ・・最終手段だ」
そういうと星一はやかんを持ってきた
星一「お前が悪いんだぞ、ったく!」
じょぽぼぼぼぼぼ・・
熱湯が龍之介の頭にかかる
龍之介「あぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃ!!
    なにをするんだ!星一!!」
星一「お前が起きないからだ。それよりお前大変なことをしてくれたな」
龍之介「?何のことだ」
星一「昨日のお前の練習態度があまりに悪かったんで、岸本の野郎が
   特別特訓をするとか言いやがったんだよ」
龍之介「サマービーチスペシャルか?」
星一「なんだ?それは。とにかく来てもらおうか」
龍之介「ちょっと待て!飯!飯!」
星一「やかましい!さっさと来い!」
龍之介「飯〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

岸本「やっと来たか。汐瀬、早乙女」
早乙女「(龍之介の野郎・・目覚まし時計止めてやがったな・・)」
龍之介「・・・飯・・・」
岸本「とにかく今日は特別特訓をする!」
龍之介「飯・・・・・」
岸本「・・・おい。早乙女。ちょっと汐瀬の顔を殴ってやれ」
拓郎「え。いいんすか?じゃ、せーの!」
めきゃ!!
龍之介「痛で!!な、なんだ?!」
岸本「よし、起きたな。では特訓開始だ。
   今日はこのメニューでやってもらう」
龍之介「痛てて・・・えーっと何々・・」

 9:00 腹筋100回×2セット
 9:45 腕立て100回×2セット
11:00 50kgバーベル50回×2セット
12:00 昼食
12:30 ランニング20km
 2:00 50kgバーベル100回
 3:00 腕立て200回
 4:00 腹筋200回
 5:00 終了

星一(するめの時の猛特訓に比べると
   ・・・・・たいしたほどでもないな。)
星満(パワー系か。楽勝だな)
ダンプカーのタイヤも吹っ飛ばす星満に取ってはこんなの楽勝である。
龍之介(なんだよこれ・・普通の人間じゃ死ぬぞ。多分。
    でもこれなら高校の時ボクシングジムでやってたのと殆ど同じだな)
拓郎「これ、昔お前がジムでやってたのとよく似ているんじゃないか?」
龍之介「な」
拓郎「?」
岸本「では、開始!!」

そして終了間際・・

トレーニング生「うぇ・・もうダメだ・・(がくん)」
トレーニング生「し、死ぬ・・・」
拓郎「?ヤワな奴ばっかだな」
龍之介「全く・・日ごろトレーニングしてないからこういう目にあうんだ」
龍之介(オレと拓郎なんざ一時間ぐらい前に終わって背筋までしているぞ)
星一(こんな風に短期間に急激な練習をするとするめを思い出すなぁ・・・
   鮫島さんは今、何してるんだろうなぁ・・・・・)
岸本「(バ、バケモンだ、こいつら・・)」
ちなみにこの特訓で無事だったのは龍之介と拓郎と星一と星満あとギリギリで猪狩兄弟。
他はみんな入院らしい

そして猪狩コンツェルン本社

星一「おい、星満」
星満「なんだ?」
星一「社長から聞いたんだけどよ、
   あの岸本ってやつ気に入らない練習生は無理な特訓で
   入院させようって考えのやつだったらしいぜ」
星満「ふぅん・・・・ま、それも無駄だったみたいだがな」
星一「そうそう、前にお前が言ってたやつ確認したぜ。
   やっぱり4ヶ月後の大会に優勝するとキューバと戦うらしいぜ」