新井星一社会人編 第八話:崩れていく無失点
5回ウラ。
拓郎の打順。HRになるほどの長打だったが、センターに取られた。
拓郎「げぇっ…なんだ?あのセンターの足の速さ…
   龍之介レベルだぜ…ヘタすりゃ」
そしてあと2人は三振。もうおそらく観客はヒマそうにしているだろう。
6回表。星一は本気で投げていて、三者三振。
6回ウラ。また大和と星一の対決が回ってきた。
大和「・・・・・」
星一(回をますごとに大和の調子は上がってくる。
   これは高校の時からそうだったが・・・・
   その上がり方が今回尋常じゃない・・・)
結果は三振。スコアボードに0が表示される。
7回表。拓郎の打順が回ることなく三者三振。
龍之介「拓郎もホームラン打てないとはなぁ…
    あいつ凄いよ、本当に。全く…なんでこんな凄い奴がいるんだよ」
猪狩守「ああ…でもあいつ…投手なのかな…」
龍之介「ふっ……」
龍之介(さすが猪狩。だてに天才投手じゃないな)
龍之介「あいつはもともと野手だったらしいぞ。
    でも何故かは知らないけど、高校の時に投手に転向したらしいんだ。
    さすがだな、猪狩」
猪狩守「……ふん、猪狩守の名前はダテじゃないんだよ。覚えておくんだな」

−ベンチの水道−
星一「ハァッ・・・ハアッ・・・」
星一が頭から水を被っていた。
星満「大丈夫か?星一」
星一「勿論だ。このまま行く」
7回ウラ。三者三振。
龍之介「…うぅん…あいつの速球の速さ、多分170超えてるぞ」
猪狩守「ひゃく…!?そんな奴見たこ…」
猪狩は龍之介の表情に気づいたようだ。少し冷や汗をかいた龍之介を…
龍之介「全く…星一関係で恐ろしい達人が多いのもまた事実だぜ」
そして怒濤の8回表を迎えた。
バッターは伊勢原。
星一「…シュートでいくか…」
ちなみに星一のシュートはホップするのだ。
龍之介も何回か泣かされた魔球だった。
ブゥゥゥゥゥン!!!
大和「!! とらえた!!」
カァァァァァァァンッッッ!!!
今まで聞いたことの無いようないい音がし、
ボールはスタンドへ飛んでいく…
星一「入るな!!!」
大和「どうだ……!!」
大和は走らなかった。
ボテッポテ……
星一「ぁ…ぁあ………」
大和「入った……!!!!!!!!!!!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
観客から大きい歓声が上げられた。
龍之介「…動揺してるな…星一……珍しい…」
星一「きっ…く……くそぉぉ………」
龍之介は立って、星一に向かって叫んだ
龍之介「星一ーーぃ!!気にするな!あとはみんなが
    なんとかする!お前は投げることに専念しろぉ!」
大和「…ん?…あいつ…いいアドバイス言うじゃないか…
   しかもあんなに大胆に…」
星一「!……ああ…悪かった、龍之介。お前との約束は……守る!」
龍之介「ふん。お前はそうしてスカしてればいいんだよ…」
龍之介はそうしてベンチに座った
猪狩守「全く…ムチャするな。君は」
龍之介「無茶は専売特許だ」
猪狩守「ふ…それもそうか」

星一(・・龍之介・・・サンキュ)
調子を取り戻した星一は残り三人を三振にした。
そして8回ウラ。
星一の打順だった。
星一「……大丈夫だ…オレの力を信じれば……」
大和「いくぞ!星一!!」
ビュゥゥン!
星一「! フォークだ!」
カキィィィィン!
強烈なライナーが伊勢原に向かった。大和「チッ!」
バンッ!
伊勢原はライナーをはじき、星一は一塁についた。
猪狩茂「……汐瀬」
龍之介「へ?」
猪狩茂「代打だ!!一発デカいのカマしてこい!!」
龍之介「よっしゃ!たまにはいいこと言うではないか!
    茂のオッサン!」
猪狩茂「オッサ…」
龍之介「任せておけ!オレが出たら負けはない!」
星一「(龍之介か…あいつの技量なら…大丈夫なはずだ…
    あいつは……野手の技術もある…)」
しかし伊勢原の160超えのカーブにオレはひるむしかなかった。
星一(チッ、やっぱり龍之介も160カーブには手こずってるみたいだな・・・
   あいつでもやっぱり・・・・・・・・・・・・・・・・・)
龍之介「な、なんなんだ?こいつ…ほとんど化け物じゃないか…
    ちょっと…強いぜ…こいつ………」
冷静を失った龍之介に一人の男が声をかけた。

星一だ。
星一「龍之介!!!!」
龍之介「星一…?」
星一「お前なら大丈夫だ!打てる!自分を信じろ! 
   オレはお前を…お前を信じてるぞ!」
龍之介が驚いた表情をしていた。